多数決とかデモとか仲間同士の連帯感とか
「集合体の強さ」を感じる機会が多い今日この頃。
実際にそれが正しいとか世のためとかとは無関係に
連なった者たちの一致団結によって突き動かされる現実に恐怖を感じる。
私は激しく自己否定しながらも、同じくらい自己肯定もする。
何度も分析を繰り返し、常に悩み、考え過ぎて鬱になるくらい考える。
だから自分の中で絶対正しいと思った生き方は曲げないけれど
それを他人に強要することはなく
同士として分かち合えないと思うと距離を置いて孤独を選ぶ。
受け入れて欲しいことを拒絶された時は徹底的に原因を探して傷つく。
でも自分を偽ってしがみついてまで嘘の賞賛なんかされても何の意味もない
…ずっとそう思っていた。
だけど世の中は絶対的に多数決で動く。
実際に良いものであっても認めてくれる人がいなければ
それは良いものとして存在出来ないんだ。
芸術家の偉人たちを思い浮かべればその縮図を知っていた筈なのに
最近になってそれは作品だけでなく人格も同じなのだと気付いた。
何度も言うけど馴れ合いがとにかく苦手だ。
心にもない誉め言葉やその場を取り繕う嘘には反吐が出る。
でも現代日本ではそれが正義。
色んな価値観や生き方を受け入れる方向に進んではいるものの
色んなコミュニティの中でうまくご機嫌取らなきゃ嫌われるし
極論、相手に好印象を与えた者に権力が発生する。
好意ってきっとポイント制なんだと思う。
うまく戦略練ってポイント稼いで、そのご褒美に肯定を貰う。
例え下心があっても褒め言葉は大半の人が嫌な気はしないし
例えそれがお世辞でも「好意を向けてくる人」には同じもので返す世の中。
ずっとその仕組みをくだらないと思っていたけど
あんまりに評価がそのポイント制でしか獲得出来ない実感に心が折れそう。
私は多分歪んでるんだと思う。
「他愛のない穏やかな日常」を敏感に拒絶して中身がないと否定し
取り繕う上辺がその人の本質だと認識してしまう。
人間関係は善悪じゃなくて相性だってことは理解しているけど
ストライクゾーンの狭い私の生きる世界は嫌いな人だらけなんだ。
来る者を拒みはしないけど繋ぎ留める努力もしない。
そうすると私のポイントは減点されていく一方。
多分皆「自分のことを受け入れてくれる自分のことが好きな人」
のことを好きになりやすい。
でも私はそういうところで人を見ていなくて
考え方と生き方が一致している周りに流されない意思の強い人が好き。
それは決してポジティブな思考でなくてもいいし強くなくてもいい。
自分と疎遠でも揉めて離れた人でも尊敬、憧れ、好意は続く。
側にいるのは良くも悪くも「楽な人」「無害な人」なんだと思う。
よく交流するからってイコールで好意には結びついていない。
すると私からは相手に好意を伝えることはほぼなくて相手が冷めていく。
そう思った時、私には誰も仲間がいないし理解者もいなくて
なんだかとっても虚しくなるよ。
自分で閉ざしている自業自得なのに、無性に孤独を感じる。
からっぽの嘘偽りの方で作ったハリボテの仲間の方が
まだマシなんじゃないかと思えるくらいに。
だって黙って好きなふりをしていないだけで自分を悪に分類されてしまうんだよ。
なんで？どうして？私は悪いことをしているの？
自然な流れで仲間はずれが始まって
相性の筈が善悪にすり替わっていく恐ろしさ。
否定されることを何よりも恐れる人たちが寄せ集まった集合体は
肯定し合って仲間意識を築き上げていく。
そこで生き残ることだけ考えていればいい。
最高ポイントを保有する権力者が右向けと言ったらそれが正義の空気。
恐れる者ほど金魚の糞みたいに取り巻きの位置につくんだろうね。
でも皆と一緒って疲れるよ。
個性ってそう簡単に認められないし評価なんて夢なんだろうか。
例え私が作った作品が素晴らしくて匿名で披露したら絶賛されるものでも
集合体の中で敵視する空気が流れていたら作品も愚作とされるって
なんだかめちゃくちゃ理不尽じゃないか。
食べる度幸せに浸れる最高に美味しいごはん屋さんよりも
カリスマ人気タレントが勧めたごはん屋さんに客が殺到するような。
評価ってなんだろう。支持ってなんだろう。
事務所の戦略次第で売れ方が変わる芸能人を思えば
素材の良さなんて二の次だよねって冷静に思う。
どんなに性格が良くても
見た目が好みじゃないと恋愛対象から除外する人が大半の生き物だ。
一人より誰かと同じ気持ちの方が安心するっていうのはすごく分かる。
でも同じ派閥に所属することだけに意識を持っていきすぎて
それがどんな派閥であるのか考えることを放棄している人が多い。
強そうだから、何かあった時有利そうだからってところだけ見て。
そういえば就職ってそういう理由でする人が大半よね。
人付き合いもおんなじか。そっか。
はー…
