吾輩は吾輩である

どこかに理解者いるのかな

少数派の存在感

うちの会社では数年前からストレスチェックという制度を導入していて

仕事量や環境、職場の人間関係などの満足度についての設問に

オンラインで回答するものがある。

 

私は今年度から衛生委員という役に任命されていて

ストレスチェックの制度の改善点とか談義する位置にいるので

「結果が悪かった場合の先に何があるのか」を開示すべきだと意見した。

 

過去に私は散々な結果が出たことも参考に添えて

産業医の個人院まで出向いて面談をした上で

部署移動の話を持ち掛けられたことがあった。

その回答期限は面談を申し出た日から30日という短さ故に

検討日が少なかったことなど踏まえて意見を述べた。

(申し出てすぐには予約がとれなかったので実際1週間程度しかなかった)

 

専門知識を用いて業務にあたっている職種だから

私の転部は超新人としてのやり直しを意味するので希望せず

ただ産業医に悩みを打ち明けるだけで終わったのが不本意だったから。

記録をとられるだけで何の解決もないなら

そもそも面談なんて業務抜けて行かなかったし

何かアドバイスがあるわけでもなく話を聞いて終わるなら

エネルギーを消費したことをとても損に感じた経緯がある。

 

面談の為に外出するのでさえ公開スケジュールに「外出」と書いたら

遊びに行くためにサボるんじゃないかと陰口を言われた。

そういう職場環境が苦痛だからそれを話に行くんだよとは開示出来ないから

ただ外出とだけ書いているのに。

そんな嫌な想いして行っても何もなかったのが無駄だったなと思って。

 

その会議で進行を務める1番偉い人は良くも悪くも呑気で

メンタルの不調とは無縁なんだろうなって感じの明るく大雑把なタイプ。

「そもそもさ、結果が悪いなんてレアケースでしょ」って言われて

この人の常識の中には元気が当たり前なんだなぁと察した。

なんかそれがちょっと衝撃的だった。

 

自分が不調なことが多いから

自然と同じ不調を訴える人の発信に目がいきがちで

「世の中皆色んなこと抱えながら頑張って生きてるんだな」とか

「皆余裕がないから他人を思いやれなくても仕方ないんだろうな」とか

そっちベースで世間を考えてたからすごく意外だったというか。

 

そっか、私は少数派なんだ。

そりゃそうか、皆普通に毎日出勤してて休職する人は一部だもんね。

冷静に納得はするんだけど、なんだかすごくショックを受けた。

 

なんだろう「稀な不運」みたいなレッテル貼られた感じ。

大多数が製品として出荷される中で、不備があって廃棄されちゃうような。

苦しみながら生きることが当たり前だと思ってたのに

皆は苦しんでないの?私だけが苦しいの?

 

そういう発想自体が苦しみやすい体質なんだろな。

あの偉い人ならそんなこと考えもしなそう。

「鈍感力」ってたまに聞くけど、抜本的にその差が開きすぎてる。

 

でもなんかアレよね。

学校で匿名調査する「いじめはありますか?」みたいのに似てる。

9割以上の人がないと答えました。

1割以下の人があると答えました。

その1部の「ある」はレアケースだから無視します、みたいな。

学校全体としては平和でしたという結論に至ってしまう。

何のために質問したの?

「問題ない」って統計を出して学校を肯定する為なの?

ただ1人「ある」と答えた人の救済のためではないの?

 

あと、情報開示についても気になった。

原則的に結果は自分と管理者のみが把握して周知されることはないけど

絶対に他の職員が知ることはありませんのでってところを

すごく強調して何度も何度も説明されるもんだから

「自分のメンタル不調ってそんなにバレたらいけないもんなのかな」って。

管理者がおしゃべりだとそんなものは意味をなさなかったりはするけど。

 

私は基本的にアイデンティティを大切にしていて

どんな部分も「全部含めて私」って思ってるところがあるから

臭いものには蓋をすべき、みたいな強い価値観を押し付けられた気がして

「見せたらダメなの?不調は否定しないといけないものなの?」

ってなんか疑問が渦巻き始めてしまった。

 

でも公開スケジュールに私も詳細を書かなかったしな。

更に余計なこと生む可能性あるなら伏せておいた方がいいのはあるよね。

 

長袖を着なくなる季節がやってきた。

腕に残った薄い傷跡が少し気になり始める頃。

そうね、大半の人の腕にはないもんね、レアケースだね。

リスカする前からある事故の傷跡の方が余程エグくて太い線が腕を半周してるし

数や大きさ的にそこまで目立たないので長袖や包帯で隠さないんだけど

つり革につかまる時、他人の顔が目の前だとちょっと後ろめたい。