吾輩は吾輩である

どこかに理解者いるのかな

違う人種

待望の心療内科へ行った。

 

職場近くで口コミの良い病院。

最初は家の近所で探してたから時間に融通きかなかったけど

昼休みを利用出来るなら行きやすい。

 

目的は沈んだ気分の時に即効薬として飲める薬の処方と

とにかく私の話を聞いて受け止めて欲しいという気持ちがあった。

「それはつらかったね。お薬飲んだらよくなっていくよ。頑張ろうね」

って、親身になってよしよししてくれる存在が欲しかった。

以前2年間通った先生はそういう人だった。

 

転院した先の先生は穏やかだったけど親身さはなくて

欲しがった薬を欲しいだけくれる便利屋さんみたいな感じだったから

悪くはないけど心のよりどころにはならず。

もっとちゃんと寄り添って興味を持って話を聞いた上で

先生自身の判断を含む診察をしてくれる人に出逢いたかった。

 

今日みてくれた先生は、最初数十分、全く私の顔を見なかった。

PCに向かって会話を記録するようにカタカタとタイピングを続け

相槌も質問も全部そのモニターに向かって話しかける。

おぼつかないタイピングの指を眺めながら要領悪いなぁというのが第一印象だった。

何打ってるか知らんけどバックスペース多いな。

 

診察時間は約1時間と聞いていたけど、結果的に1時間20分くらい話した。

私が苦悩してきた年月をたったその短い時間の中で説明できるだろうかと

一生懸命話したつもりだった。

でも多分先生のタイピングが追い付いていない。

静寂の中カタカタと響くタイプ音。

無駄に流れる時間を惜しんで私はまた話し始めるけど

どことなく嚙み合っていない感じのする論点。

一向にこちらを向かない先生。本当に口コミ高いの?

 

大丈夫かな?この先生にちゃんと私のしんどさ伝わるのかな。

どう思われてるんだろう。

ある程度の質問が済んで、先生の意見が告げられる。

「今の趣味やめたらどう?」

 

楽しみである筈の趣味の副産物の人間関係に苦しむなら

その趣味やめたらなくなるじゃんっていう安易なアドバイスだった。

まぁね、極論としてはストレートな正解だよね。

でもそのアドバイス1番求めてないやつね。

他の症状の訴えとかそっちに関しては触れられず。

 

学校でいじめにあいました→休学して療養しましょう。

過労でうつになりました→休職して療養しましょう。

それと一緒だよって言うけど、一緒じゃないのよ趣味は。

好きでやってることで、それが私の生き甲斐なのよ。

かれこれ20年、人生の半分以上意欲的に追いかけてきた自己形成の根本なのよ。

 

それがストレスになるなら離れたら解放されるのは分かっている。

だけど出来るならずっと好きでいたいしずっと追いかけていたいし

私が求めるのはそれと一緒に幸せに生きる道であって

その世界から姿を消すことじゃないのよ。

そんなに簡単に言わないでよ。

 

掲示板でのバッシングの話をしたら「削除依頼すればいいんじゃないの?」って

とぼけた顔で言うから「〇ちゃんねるとかって知らないですか?」って慌てて聞いたら

初めて聞いた言葉のようにぽかんとしていた。

ダメだこりゃ。話しが通じなさすぎる。

削除に要する労力を調べて削除欲求なんて初期に消えたもの。

 

名誉棄損で裁判起こすために管理者にIP開示を求めて警察とか弁護士挟んで

匿名で書かれたものの身元を割り出すに値する名誉棄損か審議されて

書き込まれた内容にちゃんと目を通しながら手続きをこなしていくのよ。

その為にどれだけの労力と精神力必要か分かってたら言わないでしょうよ。

書いたのが1人ならまだしも、複数人を対象としている場合どれだけ大変だと思ってんの。

書かれて嫌なこと書かれない世界が簡単に作れるならあんな無法地帯にならないわ。

殺人予告とか個人情報の開示がされたなら動きやすくても

遠回しな嫌悪感を書かれたって法に触れないケースは多い。

それでも書かれた方は傷つくし人間不信になるもんだよ。

弁護士の動きは金額次第。

高額出せば本気で動くし、少額なら必要最低限の手続きしかしない。

心療内科の医師にそこから説明しないといけないの?貴重な初診の時間を使って。

 

「趣味やめるべき」「それは受け入れられない」の押し問答で

軽く先生と言い争いになった。

この人は「嫌いのカテゴリー」に分類された。

分かって貰えなかったことが悲しくて泣きそうになったけど我慢した。

私は何しにここへ来たの?

 あくまで医師の感触であって

カウンセリングしていったらもっと違う解決策が見い出せるかもしれないって言う。

 

うつ状態にはなるけどうつの手前、病名をつけるなら気分障害

気分障害の詳細が鬱と躁鬱ではないのか?)

抗うつ剤はいらないだろうと判断された。

最初に漢方を提示されて「漢方って続けないと効果出ないですよね」って

即効性なきゃ嫌だとゴネて最終的にソラナックスを2週間分処方されたけど

「この程度のことで何を騒いでるんだ」みたいな感じがして不愉快だった。

話し方は穏やかだから被害妄想かもしれないけど。

 

自覚症状も軽い。

鬱だった過去を思えばこそ、今はまだその手前の段階だという診断には納得するし

日常生活が送れるレベルに病名はいらないのかもしれない。

でもとってつけたように「このままじゃつらいでしょう」って理解者面されると

あんたにあたしの何が分かるのって思ってしまう。

 

先生の言ってることは分かる。

落ち込んだ時の対処療法で薬を飲むのではなくて、長期スパンで見て生活を見直して

カウンセリングすることで生き方を変えたら鬱から脱せるという発想。

私は今の生活に依存しているのだと言われた。

好きなものを手放し、苦しみの要素を遠ざけろと。

自分から苦しみを作ってるんじゃ変われないと。

 

正論は時に残酷。

 

芸能界とか、芸術作品を商売にする人とか、人気商売とか

そういう世界にはね、売る側も買う側も嫉妬と恨みと競争がつきもので

その世界でなければ平和に成り立つ友情もここでは優先順位が下がりやすい。

メンタル弱いならおやめなさいとおっしゃるのか。

どれだけ私がその世界を愛しているか知らずにそうおっしゃるのか。

愛しているからこそ失うことが深い絶望を伴うのに。

 

お会計しながら2週間後の予約をとりあえずとってしまったけどどうしようかな。

2年通ったとこの先生も内容としては同じことを言って

趣味をやめるべきだと説得されたけど、印象がまるで違ってなんだかな。

「このままじゃもっと壊れちゃうから心配なんだよ」って言ってくれたあの先生と

「無駄なことして好きで苦しんでるんじゃん?」って見下すように言うこの先生。

 

どうせ私が悪いんです。

そう思った診察だった。