吾輩は吾輩である

どこかに理解者いるのかな

BAD TRIP

さて今日は処方されたお薬の話。

 

抗うつ剤であるミルタザピン15mg(リフレックス)が主食として出された。

眠気が出やすいとのことで昼間飲むのは避けた方がいいらしく

処方された日の夜、就寝前に1錠飲んだ。

翌朝起きれなくて仕事寝坊しちゃったらどうしようと不安もあったけど

先生は「1錠じゃ効かないと思うけどまず慣らす為に」と言ってたから軽そうだし

アラームはアプリの上限かけられるだけかけたし支障出ませんように。

 

今は不眠症状もなかったので安定の横になって数分後には熟睡のパターン。

が、深夜魘されて目が覚める。

「魘される」という概念は普通夢を見ている最中を意味していて

悪夢を見るから魘されて、目が覚めればその苦痛から解放される筈。

が、その夜の私の魘され方はそれと少し違った。

 

確かに目がぱっちりと冴えれば不快感は消えて現実に戻ってこれるのだけど

夢を見ているわけではなく、とにかく胸が心地悪い。

むしゃくしゃして、不愉快で、ストレス度合いが尋常じゃない。

じたばたのたうちまわって、絶叫し、あちこち殴ったり自分の体をかきむしったり

それでも耐えられない程の苦痛がしばらく続いた。

寝ている状態と起きている状態のちょうど中間くらいで

入眠時と目覚める直前のぼんやりと意識がある状態で魘される。

夢は見ていない。何の景色も描写も記憶に全くない。ただ苦痛なだけだった。

 

意味が分からない。

自分で何が起きているのか把握出来ない。

どうにかしてその苦痛から逃げようと「起きなきゃ!」と思って目を開ける。

でも眠気の強さがすさまじい。

すぐにとろんとして意識が遠のく。

そしてまた猛烈に魘されてのたうちまわる。

 

寝るモードを完全に断って起きようとベッドから出てリビングのソファへ移動する。

同じく眠気にやられて意識が遠のく。

必死に起きようと自分の太ももを殴ったりして意識を保とうとするが

感じたことのない「抵抗が無駄なレベルの睡魔」に呑まれる。

苦しい。とにかく胸が苦しい。

でも戦わないとまたやられる。

 

家の中を歩いてキッチンへ行き、適当に食べ物を口にする。

さすがに飲食すれば何とかなるだろうという期待も儚く

咀嚼しながら眠気に呑まれ、ハッとしてまた咀嚼を続ける。

何をしているんだ私は。

とにかく意識が朦朧としっぱなしで眠い。眠い。眠い。

 

今もう一度眠りにつけばちゃんと眠れるのでは?という期待を持ってベッドに戻り

入眠しかけては魘されて絶叫し、じたばた転げまわって

そんな謎の戦いを繰り返しているうちにいつの間にか眠って朝になっていた。

ちゃんと終わりは来るらしい。

 

自分で睡眠コントロールが出来なくなっているその状態では

当然20回くらいのアラームも無意味に1回も気付かなかった。

それでも出勤時間前に目が覚めて(魘されていない普通の目覚め)

慌てて会社に電話をかけて体調不良なので午後から出社しますと告げた。

その後も睡魔はまだ余力を発揮していてめちゃくちゃ眠い。

眠いという表現より意識が重いという感じの方がしっくりくる。

甘えや怠けで「起きたくない」ってレベルじゃなく、意識が体に伝達不可能というか。

 

前夜の入眠から約10時間後にようやく起床。

まだスッキリしない頭でなんとか支度をして出勤すべく家を出た。

たかが1錠飲んだ粒のせいでこんなことになるなんて。

恐怖心と、会社への罪悪感と、無駄に休んでしまったことへの自己嫌悪。

 

昨夜のあの魘され方はいったいなんだったのか。

朦朧とする意識の中で「魘される」と検索して原因を調べようとした画面が

朝になって残っていて、検索結果を読むまで辿り着けなかった現実を見る。

多くは子供に見られる症状で、日中のストレスが眠っている間に現れるとのこと。

起こしてあげるのがいい、日中のストレスを緩和していくべきとあったけど

どちらも出来ない私は八方ふさがりだ。

独り暮らしであの状態を誰にも見られなかったことだけが逆に救い。

 

私が抱えている日中のストレスは

理性のタガを外すとあんなにも巨大で大暴れするレベルのモンスターなんだろうか。

魘されている間は具体的な思考は全く働いていなくて

何が嫌でどうしたいのかなんて明確なものが何もない。

ただ胸が竜巻のようにゴウゴウと荒れていて不快に耐えられない。

自分が転げまわることや叫ぶことに

「体をこう動かしてみよう、声をあげてみよう」なんて計画は一切なくて

藁にも縋る想いで助けを求めてのたうちまわるしかなかった。

タミフルを服用してマンションから飛び降りちゃった少年を思い出す。

薬が体の意思伝達を奪う。

 

ミルタザピンを調べても主な副作用には挙げられていなくて

薬によるものではないのか?それとも稀なケースなんだろうか?と思いながらも

薬に対する恐怖心が膨らむ。

でも悪夢を副作用とする薬っていうのは存在するのね。初めて知ったよ…。

以前はハルシオンとかも飲んでたけど何ともなかったのになぁ。

 

病院を変える時に「レキソタン5mgを飲んでた」と告げると

医者は決まって「結構重いのを飲んでたんだね」ってリアクションして

普通は1か3だと言ってたことを思い出し

そもそもミルタザピン15mgって重いんじゃ?ってことが気になる。

でも今回の医者は15mg1錠は通常の半分の量だと言って処方したし

検索しても15がデフォルトっぽい。うーむ。

 

とは言え、メンタル系のお薬は飲み始めに副作用が強く

飲み続けているうちにちゃんと効果を発揮していったりもするし

もう1度試してみようかなとも思う不思議な冒険心。

なんせ起きてしまえば魘されていた自分が信じられないくらい別世界なのだ。

昨夜のアレは何だったのだろう…最早記憶障害のようにぼんやりとしか覚えていない。

でも翌日が仕事の日に飲むのはもうやめよう。起きる自信がない。

服用から12時間経過しないと起きられないことも把握した。

完全に副作用が消えるのは1日がかりだ。

 

初めての服用は18日(月)で、この週は幸い21日(木)に祝日があった。

火曜日を1日あけて、水曜日の夜にリトライ。

やはり魘されて起きたもののほんの一時的で

1分にも満たないレベルだった気がした。

なーんだ、やっぱり回数重ねれば慣れていくんじゃん。

土曜は朝から予定があったので起きれないと困るから金曜の夜は飲まず

予定のない日曜の前日、土曜の夜にまた飲んでみた。つまり昨夜。

 

猛烈に魘される夜が再び訪れる。

意識を取り戻した時には、左足を両腕で頭の前に抱えていた。

や、もう、ここまでつらいと次はないわ…。

鬱を治したくて飲んだ薬の副作用でそれよりしんどくなる意味が分からない。

無気力とか悲しいとか感じてたの生ぬるいと思うくらい地獄だったよ…。

私やっぱり鬱じゃないんじゃ?

健康な人が抗うつ剤飲んだら発狂してしまうのでは?

何が何だかわからない。

 

しかし病院行く前より日常の気分の落ち込みも悪化していて

あれー私は勘違いかなレベルの「時々鬱」だった筈なのに

なんか本格的になってきてないか?今の生活キープ出来るのか?という不安も。

最近は1人の時間以外落ち着かなくなってしまった。

楽しみにしていた友達と遊ぶ予定の前が物凄く憂鬱で人と関わるのが怖くなる。

実際会ってしまえばそれなりに楽しく過ごせて元気に笑えるのだけど

約束の場に向かう前の恐怖感と抵抗感がなかなか暴走気味。

 

仕事からの帰途も、ふらふら寄り道して外食したり買い物するのが好きだったけど

なんだか周りに人がいるだけで不愉快だったり怖くなったり逃げたくなって

不安と焦燥でいっぱいになってお薬欲しいって思うのに

習慣づいてないから持ち歩いてなくて家に帰るまで飲めないっていう絶望。

無気力化して死んだ魚のような目でぬぼーっと歩いて

通常では感じない疲労感で足取りが重く、休憩しないと進めない。

でも実際家につくとさっきまでの半分死んだような感覚はどこへやら

晴れやかな気持ちで活発になってたりする。

もう大丈夫っぽいけど一応飲んどく?飲まなくてもいいけど…みたいな。

 

人生絶望レベルの大きなショックがあって傷心になり

弱っている所に追い打ちをかけるストレスが目についてあれもこれも嫌ってなって

最早自分を傷つけるすべてが敵のように感じ始め

社会に馴染めない自分を責め、社会から距離を置きたくなり

それが悪化して病気として成り立ってしまい

病気だと認めたら踏ん張っていた一線が決壊してしまった…ような感じ。

 

さて、ここからどうやって這い上がっていきましょうね。