吾輩は吾輩である

どこかに理解者いるのかな

東京自殺防止センター

「自殺を考えるほど、つらい気持ちを抱えるあなたへ」

 

穏やかな緑色の可愛いフォントでこう書いたページに辿り着いた。

Twitterで「消えたい」と検索した先で。

 

日中ふたをしていた感情が寝る前に溢れ出して

泣き始めたらもっとしんどくなってきてそう入力した。

 

大きく表示される「電話する」のボタン。

とても悩んだ。

藁にも縋る想いで助けて欲しかった。

だけど実際通話することを考えたら悲劇の世界は突然淡白な現実に変わる。

 

だって、なんて言うの?

開口一番「皆のことが嫌いなんです。だからもうこの世が嫌なんです」

ってあふれ出しそうだったけど

それを聞いた相談員はなんて答えるんだろうか。

 

「まぁ落ち着いて」って順を追って説明させられる?

それがほんの数十分で終わる?

どこから何を話したらいい?

うまく説明するために下準備して電話口で発表する形にすべき?

そんな冷静な伝達をしたい欲求はない。

 

同意してくれる?驚かれる?呆れられる?

相談員ってどれだけ寄り添ってくれるの?

自殺防止センターという名を掲げるからには死に反対なんでしょう?

生きろって説得されるの?

生きるメリットと死ぬデメリットとか説教されるの?

 

でも「自殺を考えるほど、つらい気持ちを抱えるあなたへ」の文字は

とても優しい。

勝手な先入観で「つらい私を抱きしめてくれる」ような印象を受ける。

 

でもちょっと待てよ。

心療内科の初診予約を取ろうとした時もこんな感じじゃなかったっけ。

「私たちが力になります。どうぞお気軽にお電話ください」

みたいな優しい文字でHPに広告を出してたのに

予約なかなか取れなくて、拒絶された気持ちが膨らんで駅で大泣きして

行ったらバカにされたり、興味なさそうだったりしてしらけちゃったんだ。

なのに、ここなら求めた安らぎがあると思うの?

 

職場の穏やかな紳士風のおじさんが部下の悲痛な叫びを晒し上げて

「消えてしまいたい」というメールを

迷惑だ重たいと皆に見せびらかしていたことを思い出す。

あれが現実だ。夢を見ちゃいけない。

優しそうな人でも助けてくれるわけじゃないんだ。

 

東京自殺防止センターのTwitterアカウントを覗いてみた。

全てのツイートにリプがついている。

電話して救われなかった人の恨み言だった。

電話がなかなか繋がらないこと、対応が雑だったことが書いてあった。

想定範囲内の光景がやっぱりそこにあるんだな。

てかここも繋がらないんだ。

 

遠い記憶を辿れば、その昔多分相談窓口への電話は既にしたことがあった。

30分という制限の中でうまく伝えきれなくて

何も欲しいものは得られないのに「じゃあ時間なんですいませんけど」って

電話切られちゃったんだった。

 

だって、死にたいんだよ。

死にたいってさ、生きてきた数十年間を捨てるってことだよ。

それだけの重い複雑な話をさ

私のこと何も知らない人がたどたどしく説明する「状況」「感情」だけで

救える可能性に賭ける方が間違ってない?

何の分析が出来るっていうの。

ありきたりな励ましで救われるくらいの浅い落ち込みだったら

死にたいところまで落ちやしないわ。

 

誰かに暴力を受けてるとか、過労とか、借金苦とか

パターン化しやすい解決法があるものは役に立つのかもしれない。

こういう施設があって、こういうサービスを受けられるよって

次なる救いの場所を紹介して貰えたらそれで少し前進出来ることもあるだろう。

 

でもそうじゃなくて、人付き合いの失敗や自己嫌悪はどうしたら?

まず電話口の相談員のことを好きになるまでに時間がかかるんだよ。

この人だったら私のこと助けてくれるのかもしれないって思って初めて

自分を語ることに意味が生まれるんじゃん。

 

誰にも話せなくて誰かに話したくて

誰でもいいからとりあえず相槌打って聞いて欲しいっていう

超一方的なものと割り切れば使える制度なのかな。

私はそんなものじゃ救われないや。

 

会社の福利厚生で無料で受けられるカウンセリングも

3月から始めて4回受けたけど意義を感じられなくて

先月末の予約は破棄して通うことをやめてしまった。

あの先生じゃダメだ。

もっと別のプロならいい人がいるんじゃないかと思って少し調べたら

カウンセリングって種類があるのね。

 

アドバイスを受けて自分を改善していく「認知行動療法

あのおじいちゃんカウンセラーはこのパターンだったのかな。

まともなアドバイス殆どくれなかったけど。

自分を変えるという発想がアイデンティティの強い私には抵抗があって

直感的にこれは嫌だなぁと思った。

 

無自覚の本音を探る「精神分析療法」

なんでこうなってしまうのか、本当は自分はどうしたかったのか

昔の思い出や今の感情を吐き出すことで無意識の感情を炙り出す療法。

フラッシュバックを引き起こす可能性が高くテクニックが要されるらしい。

あ、私がやりたいのこれだわ。

ただ、これは他のカウンセリングより時間と費用がかさむようで

余程の覚悟と投資をしてカウンセラーを信頼しないとダメっぽい。

 

普通のカウンセリングは30分5,000円が相場なのに対して

ちょっと目にしたところは初回50分12,000円、2回目から50分8,000円~。

10分単価で計算すれば割高ってわけではないけど

継続して通い続けることを考えると出費は小さくないっていう。

昔通ってたカウンセリングも基本は30分5,000円だったけど

じっくり話聞いた方が良さそうな時はカウンセラー提案で1時間だったな。

それが2週間おきのペース。

 

安かろう悪かろう、良いものは高い、の構図を感じるね。

 

ボランティアを募って研修で育成してる相談員たちが

臨床心理士の資格を持ってるとは思えないし

まぁその程度の無料サービスだよね。

少しでも力になりたいって思って尽力する姿勢は素晴らしいと思うけど

根本的に何も理解出来てない気がする。

 

誰も私をわかってくれない!って牙をむけば

差し伸べられるどんな手も敵にしか見えなくて

どんな些細な優しさでも感謝の心で迎えれば幸せになれる

…そんな構図は当然知っているよ。

その上で絶望せずにいられない私が欲しいのは知識じゃないんだ。