吾輩は吾輩である

どこかに理解者いるのかな

懺悔シャワーの乱

浴室は、スマホ依存の私が唯一それを手放す場所。

 

起きてる時は常に側にあるスマホ

目が覚めたらまずスマホ。目が開かなくても手に取る。

私が寝ている間にもインターネットの世界は動いている。

気になる度に何かしらを開いて確認する。

調べもの、SNS、LINE、ゲーム、を1日中繰り返しているので

買い替えてまだ数か月の状態でも充電は1日に3回くらい要する。

 

きっとそれに触れてる間は「受信モード」なんだと思う。

そこには情報があって、人がいて、触れる度に何かを受け取っている。

LINEであれ、SNSであれ、文章を書く時間もあるけど

どんな言い回しで表現するかに没頭している時間を除いては

誰かが読むことを常に想像しているのでリアクションがセット。

 

そんな私も浴室にだけはスマホを持ち込まない。 

水没によるデータ損失リスクが高いから。

お風呂タイムは自分の脳みそだけが遊び相手になる。

「受信モード」が休止するのだ。

 

すると、9割くらいの確率でパニックを起こす。

長時間ずっと発作みたいになるわけじゃないし、ご機嫌に歌を歌うこともあるけど。

スマホの中の世界が気になって不安になるわけじゃないよ。

 

フリータイムになった脳はふわふわと「回想モード」に切り替わる。

最初に頭に浮かぶのは何気ない回想で、あんなことあったなー程度なのに

次第に、嫌いな人や、失敗したこと、目を逸らしていることが浮かんでくる。

思い出したくない苦痛のフラッシュバックに叫ぶ。

 

こうして文章を書いてる今は、受信モードの一部だから落ち着いている。

開設したばかりで誰か読みに来る人がいるのか分からないけど

やっぱり全体公開として外部に出す設定にしたからには表向きの場所だ。

そんな今、シャワーを浴びる私を苦しめた内容を話したところで

笑い話にしかならないことだってある。

 

あのね、テーブルに運ばれてきた大皿を各自取り分ける忘年会の1コマでね。

山盛りのオニオンリングと、フィッシュフライが出されてね。

フィッシュが1人1つだって気付かなくて私自分のお皿に2つ取っちゃったの。

隣の席の優しいおじさんは気付いてたけど何も言わなかった気がして

私は謝らずに気付かないふりをして食べちゃったんだ。

それを思い出して「ごめんなさい」って叫ぶの、おかしいでしょう。

 

パニックになるほど大袈裟に捉える事件じゃないって思っても

自己嫌悪でいたたまれなくなって、大声を出したくなってしまう。

いっそ直接言ったらいいじゃん。

今度何かでさりげなくお礼すればいいじゃん。

発想はあれどそんな器用なことは出来なくて、恥ずかしくなるだけで。

私を責めないでって気持ちで必死。誰にも責められてないのに。

 

あの人にこんなこと言われたの嫌だったなぁとか

きっと私あの人に嫌われてるんだろうなもう居場所ないのかなとか

私の苦手なあの人が今の環境に現れて幸せ壊したらどうしようとか

なんでそんなにネガティブに突っ走ってしまうのか。

 

アーーッ!って叫んだり、ヤダヤダ!って首を横に振ったり、呼吸を乱したりして

自分の中にある後悔と不安と恐怖を追い払おうと戦うしかないのだ。

騒ぐだけ騒いで何も歴史が変わらないのが乱。

改革をもたらす変ではない。何かがスッキリするわけではないのだ。

 

実家のお隣さんちにいた精神疾患のおじいちゃんもよく叫んでたな。

人との会話もまともに出来ない重症だとかで私は顔を見たこともなかったけど

1日に何度か絶叫が聞こえてて存在感だけはあった。

そっか、こういう気持ちだったのかもしれないな。

 

それが本来の私の姿で、スマホに触れることで気が紛れているのだとしたら

依存することで対処療法の効果を発揮していたんだろう。

からくりに気付いてしまった私の自己評価はまた少し下がった。